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夢十夜(07) 島の小さな球場(2)

夢十夜(07) - 島の小さな球場(2) - 島の小さな球場(1) の続きです

 スタンドのある方の球場も、古びている事に関しては例外ではなく、そして驚くほど小さい。バックスクリーンのレフト側には、観客席らしきものはあるが10人くらいしか座るところがなく、レフトポールまではフェンスがあるだけだった。
 僕がいるライト側は、ライトポールからバックスクリーンまで、手すりがついた小さい通路がフェンス上に伸びており、そのまま1塁線側へと降りていく、スロープ状の階段となっている。スロープを降りると、道路から球場へと入ってくる途中の駐車場をぬけて道路にでることができるようだ。

 スロープ状の階段の手すりに寄りかかるように、何人かの日本人の留学生数名がいた。彼らはユニフォームを来ていないので、なんだ試合にでなくてよかったんじゃないかと思った。そのへんにいた日本人の男のに、バックスクリーンの後ろ、海側のグラウンドにある球場を指さして、あれはどこのユニフォームのレプリカなんだ?と聞くと、レッドソックスだと答えた。僕がいたのはレッドソックスのレプリカを着たチームだったという訳だ。他の3チームについては聞かなかった。
 スタンドのある側で、もう一つの赤いユニフォームのチームと、白いユニフォームのチームの試合を見ていた。とはいっても、学生の授業の野球なので退屈なのだが。

 階段の手すりのところに、日本人の留学生の女の子が何人かいたので、卒業するとどんな資格を得る事が出来るのか聞いた。いろいろと基本的な資格について簡単に説明されて、それではマーケティングはある?と聞くと、「経営学の中にそういったコースがあったような気がするので問い合わせるといいと思うけど、数学的で難しいみたい。あまり人気はないわ。」と、簡潔に説明された。
 その後、彼女がとっている授業についてなにか言ってた気がするけど、あまり聞いていなくて、カリキュラムはわかりやすいシステムになってるんだろうと思い、その辺のヤツに聞いて明日にでも事務局にあたるところに行ってみようと思った。

 彼女と話しているうちに、日本人の留学生のみんなが、もう(野球の)授業も終わりで、今日はおしまいだという事を教えてくれたので、球場から道路に出てすぐの道路までぞろぞろ歩いていった。僕は、タバコがない事に気付いて、あ、タバコを買ってくるといって、その狭い島の道路の向う側にある店(道路からは酒ばかり見えたが)に小走りで行った。さっき話した日本人の子はなにか言っていたが、聞いていなかった。


夢十夜(07) 島の小さな球場(3) へ続く
by ikkyuu_as_cousaku | 2004-10-21 23:30 | 夢十夜